テレビは危険。

今朝の日経産業新聞で知ったのですが、日本小児科学会が「乳幼児のテレビ・ビデオ長時間視聴は危険です」という提言を出した模様です(Web上にも載っています)。

とりあえず子育てに不安なママ向けっぽい短いものなので読めば言っていることは単発でわかるのですが、それらを繋ぐ論理はまったくわからないというのが感想です。新薬の試験で偽薬を使うように、結果が本当に調査対象の影響なのかどうかをそれなりに区別できるようにするぜ俺達は、という気概が感じられないのです。

親の関わり具合が全く同じままでも、テレビの視聴だけを止めただけで言語の発達や社会性の遅れが無くなった、という調査ならまだ私のようなド素人にもわかります。しかし、この調査だけでは、本当にテレビ自体が悪いのか、親が子供にかまっている暇が無くテレビばかり見せているからそう観測できるだけなのか、さっぱり判断つきません。こんな調査で、誤解を全く恐れず「乳幼児のテレビ・ビデオ長時間視聴は危険です」と闘魂のこもったタイトルをつけてしまうアクロバティックな行動力には恐れ入谷の鬼子母神です。

一方そのころ、アメリカの小児科学会ではADHD(注意欠陥/多動性障害)との関係が指摘されているようです(会員制なので中身は不明)。「発達におけるテレビの影響」ってなんだか使い古されたテーマのように感じますけど、小児科界ではワールドワイドなムーブメントなんでしょうか。ゲーム脳みたいな煽りの時代は終わってまともに研究されだしたってことなのかもしれませんが……。

小児科学はpediatricsだそうな。